医療法人松田グループ 松田クリニック

2006-11-09

桜マーク

〒225-0001 横浜市青葉区美しが丘西2-6-3 
TEL:045-909-0130
取材日:2006/11/29

 

「初診は怖い」と自らに言い聞かせ
隠れた疾患に向き合う
町のドクター

どんな仕事でも、長年続けていればたまに気の緩みが出ることもあります。でも、医療の現場に慢心があれば、患者の命取りにつながりかねません。ところが、松田クリニックの院長、松田州弘先生は「初診は怖い」と言います。患者本人すら気づかない、ちょっとした症状や身体の変化にどんな疾患が隠れているかわからないからです。何年つきあったお医者さんでも、診察のときはつねに緊張感を持っていてほしい!お話を聞いて、切実にそう思いました。 伺ったのは11月末。まだクリスマスには間のある時期でしたが、病院はピカピカの電飾で彩られ、とても目立っていました!表向きは宣伝とお子さんへのサービスを兼ねて、とのことですが、実際は松田院長の個人的な趣味のよう・・・。厳しい職業人としての顔と、お茶目な表情を併せ持つ、とても素敵な先生でした♪


 

アッコ: 松田クリニックさんは内科、呼吸器科、皮膚科、麻酔科を標榜されていますね。患者さんはどんな方たちですか。
   
松田院長:  圧倒的に多いのが、ご近所の主婦の方です。30~40代女性がとくに目立ちますね。僕が担当している内科、呼吸器科では、風邪やウイルス性胃腸炎などから、高血圧などの生活習慣病、喘息まで幅広く診察しています。副院長が診ている皮膚科で多いのは、虫刺症かな。 庭の手入れ中、害虫にやられる方が多いですね。主婦の方は乾燥による皮脂欠乏症皮膚炎も多いです。
   
アッコ: 診察で心がけているのはどんなことですか。
 
松田院長:

とにかく慎重に診察すること!これに尽きます。とくに初診のときはじっくり患者さんに向き合いますよ。場合によっては30分くらいかけることもある。

   
アッコ: 30分ですか!
   
松田院長: もちろん、明らかに風邪だな、という場合は別です。だが、そうでない場合は念には念を入れます。ちょっとした症状の裏に、深刻な病気が隠れていることもありますから。 たとえば先日もある男性が「背中が痛い」というので来院された。「寝ているとき、お尻の下のあたりがすごく痛くなって目が覚めたんだけど、神経痛ですかね」と言うんです。そりゃあ、打ち身や筋肉痛で背中が痛むことはありますよ。しかし、夜中に目が覚めるほどの激痛というのはおかしい。すぐレントゲンを撮りました。そうしたら、明らかに骨が変形している。検査したところ、骨の腫瘍だったことがわかりました。いやあ、軽く見て返さなくてよかった、と胸を撫で下ろしましたよ。
   
アッコ: 怖いですね。そういうことはよくあるんですか。
   
松田院長: ええ、二度や三度ではありませんよ。この前も中学生の女の子がやって来て言うんです。「三日くらい前まで息を吸うと胸が痛かったの。でも、今はなんともないよ。お母さんが病院に行けっていうから、とりあえず来ただけ」。 母親が病院に行けと言った――その言葉になぜかひっかかりました。なんといっても子どもの体調に一番敏感なのは母親ですからね。お母さんはきっと娘の痛がり方に尋常でないものを感じたんでしょう。エコーを撮ってみたら、案の定、胸に水が溜っていました。白血球も10000個以上ある。これは大変だ、というのですぐ大病院に紹介状を書きました。結局、「T細胞性白血病」という難病だったことがわかりました。
   
アッコ: 通り一遍の診療をしていたら、見逃していた可能性は高い――?
   
松田院長: その通りです。初診は怖い。とにかく丁寧に診るしかないんです。咳のひどい患者さんのCTスキャンを撮ったときも、ぱっと見はとくに異常はなかった。でも左右を比べてみると、なんとなく違うように思われた。そこで、両手を挙げてもらい、もう一度撮影しました。そうしたら影があったんです。肺ガンですよ。乳房で隠れていたんですね。
■「妻は典型的なO型。
でも、仕事はすごく細かくてプロ意識が高いんです」
 
アッコ: でも、一人一人にじっくり向き合っていたら、あまり大勢の患者さんは診られませんね。
   

丸山院長:

ええ。多くても一日80人くらいが限界です。でももっと少なくていいと思っています。

   
アッコ: そんなふうに診察に対して慎重になられたのには、何か理由があるんですか。
   
 松田院長:  もともと神経質なんですよ。それから従兄の心臓外科医の影響もあるかな。とにかく仕事については厳しい人でね。診療に対する彼の姿勢にはずいぶん感化を受けました。負けたくない、という気持ちもありますしね
   
アッコ: ところで、松田クリニックさんはご夫妻で開業されているんですね。ご主人の松田院長が内科、呼吸器科を、奥様が皮膚科、麻酔科をご担当されている。診療方針については、奥様も同様のご意見ですか。
   

松田院長:

ええ。医療についてはお互い共感できる部分が多いですよ。あちらは典型的なO型で、僕とはかなり性格が違うんですが、仕事はすごく細かくてプロ意識が高いんです。だから診療上のこともいろいろと彼女に相談します。頭の回転の速さとか、センスとか、尊敬できる点が多いですからね。

   

■「誰に対しても公平に、そして丁寧に接します。
VIP待遇も横柄な態度もとりません」

   
アッコ: 患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることは?
   
松田院長: 誰に対しても公平に、そして丁寧に接することです。相手が誰であれVIP待遇はしないし、逆に横柄な態度も絶対にとりません。不思議なもので、そうすると相手もごく自然に、丁寧に接してくれるんですよ。少々、居丈高な人でもね
   

アッコ:

患者さんに言いたいことはありますか?
   
松田院長: 医者を独占しないで!(笑)つい医者に依存しすぎて、あれもこれもと悩みをぶちまける方がいるんです。たしかに、一人ひとりに丁寧に向き合うことは当院の方針ですが、それでも限界がありますからね。 風邪も、水虫も、乾燥肌も、高血圧も、――といっぺんに悩みをぶちまけず、つらい症状を三つ、いや二つくらいに絞って話していただけるとありがたいなあ。それから世間話もいいんですが、話はなるべくわかりやすく、簡潔に、ね。人と話すのが苦手な人は、症状を箇条書きにしたものを持参していただけると嬉しいです。
   

アッコ:

コミュニケーションというのはお互いの働きかけがあって、初めて成り立つものですものね。
   
松田院長: そう。それから小さいお子さんなどが待合室で騒いだりしないよう、お母さんは気をつけていただきたいですね。病院はつらい症状を抱えている人が大勢いますから、お互いマナーを守るようにしたいものです。

ここで見分けよう!「病院探しの目」
診断を下すまでどのくらい時間と労力をかけているか。これは、一つのチェックポイントといえるかもしれません。経験豊富で、スパッと診断する先生は一見かっこいい。でも、ひょっとしたら重要なポイントを見逃している可能性も・・・?!

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