Archive for the ‘突撃病院レポート’ Category

医療法人松田グループ 松田クリニック

2006-11-09

桜マーク

〒225-0001 横浜市青葉区美しが丘西2-6-3 
TEL:045-909-0130
取材日:2006/11/29

 

「初診は怖い」と自らに言い聞かせ
隠れた疾患に向き合う
町のドクター

どんな仕事でも、長年続けていればたまに気の緩みが出ることもあります。でも、医療の現場に慢心があれば、患者の命取りにつながりかねません。ところが、松田クリニックの院長、松田州弘先生は「初診は怖い」と言います。患者本人すら気づかない、ちょっとした症状や身体の変化にどんな疾患が隠れているかわからないからです。何年つきあったお医者さんでも、診察のときはつねに緊張感を持っていてほしい!お話を聞いて、切実にそう思いました。 伺ったのは11月末。まだクリスマスには間のある時期でしたが、病院はピカピカの電飾で彩られ、とても目立っていました!表向きは宣伝とお子さんへのサービスを兼ねて、とのことですが、実際は松田院長の個人的な趣味のよう・・・。厳しい職業人としての顔と、お茶目な表情を併せ持つ、とても素敵な先生でした♪


 

アッコ: 松田クリニックさんは内科、呼吸器科、皮膚科、麻酔科を標榜されていますね。患者さんはどんな方たちですか。
   
松田院長:  圧倒的に多いのが、ご近所の主婦の方です。30~40代女性がとくに目立ちますね。僕が担当している内科、呼吸器科では、風邪やウイルス性胃腸炎などから、高血圧などの生活習慣病、喘息まで幅広く診察しています。副院長が診ている皮膚科で多いのは、虫刺症かな。 庭の手入れ中、害虫にやられる方が多いですね。主婦の方は乾燥による皮脂欠乏症皮膚炎も多いです。
   
アッコ: 診察で心がけているのはどんなことですか。
 
松田院長:

とにかく慎重に診察すること!これに尽きます。とくに初診のときはじっくり患者さんに向き合いますよ。場合によっては30分くらいかけることもある。

   
アッコ: 30分ですか!
   
松田院長: もちろん、明らかに風邪だな、という場合は別です。だが、そうでない場合は念には念を入れます。ちょっとした症状の裏に、深刻な病気が隠れていることもありますから。 たとえば先日もある男性が「背中が痛い」というので来院された。「寝ているとき、お尻の下のあたりがすごく痛くなって目が覚めたんだけど、神経痛ですかね」と言うんです。そりゃあ、打ち身や筋肉痛で背中が痛むことはありますよ。しかし、夜中に目が覚めるほどの激痛というのはおかしい。すぐレントゲンを撮りました。そうしたら、明らかに骨が変形している。検査したところ、骨の腫瘍だったことがわかりました。いやあ、軽く見て返さなくてよかった、と胸を撫で下ろしましたよ。
   
アッコ: 怖いですね。そういうことはよくあるんですか。
   
松田院長: ええ、二度や三度ではありませんよ。この前も中学生の女の子がやって来て言うんです。「三日くらい前まで息を吸うと胸が痛かったの。でも、今はなんともないよ。お母さんが病院に行けっていうから、とりあえず来ただけ」。 母親が病院に行けと言った――その言葉になぜかひっかかりました。なんといっても子どもの体調に一番敏感なのは母親ですからね。お母さんはきっと娘の痛がり方に尋常でないものを感じたんでしょう。エコーを撮ってみたら、案の定、胸に水が溜っていました。白血球も10000個以上ある。これは大変だ、というのですぐ大病院に紹介状を書きました。結局、「T細胞性白血病」という難病だったことがわかりました。
   
アッコ: 通り一遍の診療をしていたら、見逃していた可能性は高い――?
   
松田院長: その通りです。初診は怖い。とにかく丁寧に診るしかないんです。咳のひどい患者さんのCTスキャンを撮ったときも、ぱっと見はとくに異常はなかった。でも左右を比べてみると、なんとなく違うように思われた。そこで、両手を挙げてもらい、もう一度撮影しました。そうしたら影があったんです。肺ガンですよ。乳房で隠れていたんですね。
■「妻は典型的なO型。
でも、仕事はすごく細かくてプロ意識が高いんです」
 
アッコ: でも、一人一人にじっくり向き合っていたら、あまり大勢の患者さんは診られませんね。
   

丸山院長:

ええ。多くても一日80人くらいが限界です。でももっと少なくていいと思っています。

   
アッコ: そんなふうに診察に対して慎重になられたのには、何か理由があるんですか。
   
 松田院長:  もともと神経質なんですよ。それから従兄の心臓外科医の影響もあるかな。とにかく仕事については厳しい人でね。診療に対する彼の姿勢にはずいぶん感化を受けました。負けたくない、という気持ちもありますしね
   
アッコ: ところで、松田クリニックさんはご夫妻で開業されているんですね。ご主人の松田院長が内科、呼吸器科を、奥様が皮膚科、麻酔科をご担当されている。診療方針については、奥様も同様のご意見ですか。
   

松田院長:

ええ。医療についてはお互い共感できる部分が多いですよ。あちらは典型的なO型で、僕とはかなり性格が違うんですが、仕事はすごく細かくてプロ意識が高いんです。だから診療上のこともいろいろと彼女に相談します。頭の回転の速さとか、センスとか、尊敬できる点が多いですからね。

   

■「誰に対しても公平に、そして丁寧に接します。
VIP待遇も横柄な態度もとりません」

   
アッコ: 患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることは?
   
松田院長: 誰に対しても公平に、そして丁寧に接することです。相手が誰であれVIP待遇はしないし、逆に横柄な態度も絶対にとりません。不思議なもので、そうすると相手もごく自然に、丁寧に接してくれるんですよ。少々、居丈高な人でもね
   

アッコ:

患者さんに言いたいことはありますか?
   
松田院長: 医者を独占しないで!(笑)つい医者に依存しすぎて、あれもこれもと悩みをぶちまける方がいるんです。たしかに、一人ひとりに丁寧に向き合うことは当院の方針ですが、それでも限界がありますからね。 風邪も、水虫も、乾燥肌も、高血圧も、――といっぺんに悩みをぶちまけず、つらい症状を三つ、いや二つくらいに絞って話していただけるとありがたいなあ。それから世間話もいいんですが、話はなるべくわかりやすく、簡潔に、ね。人と話すのが苦手な人は、症状を箇条書きにしたものを持参していただけると嬉しいです。
   

アッコ:

コミュニケーションというのはお互いの働きかけがあって、初めて成り立つものですものね。
   
松田院長: そう。それから小さいお子さんなどが待合室で騒いだりしないよう、お母さんは気をつけていただきたいですね。病院はつらい症状を抱えている人が大勢いますから、お互いマナーを守るようにしたいものです。

ここで見分けよう!「病院探しの目」
診断を下すまでどのくらい時間と労力をかけているか。これは、一つのチェックポイントといえるかもしれません。経験豊富で、スパッと診断する先生は一見かっこいい。でも、ひょっとしたら重要なポイントを見逃している可能性も・・・?!

★データ
診療時間:9:30~12:30 3:00~6:30
※土曜日午後のみ2:00~5:00
休診日:日曜・祝日
 

さとう整形外科

2006-09-09

桜マーク

〒234-0052 横浜市港南区笹下3-11-14-2F
TEL 045-843-5012 
取材日:2006/09/1
 

     

コミュニケーションも大切な診療!
患者の「暮らし」をとことん見つめる
整形外科クリニック

本来、クリニックとは「病気になったら行く場所」ではなく、「健康維持のため、日ごろからおつきあいするところ」ではないでしょうか。神奈川県横浜市にある、さとう整形外科はまさにそんなクリニックのひとつです。体の痛みや不具合を治すだけでなく、そうした原因が引き起こす「生活しづらさ」を解消してくれます。さらに将来にわたり、症状がどう変化していくかを想定する念入りな診療スタイルには、地域を問わずファンが多いよう。院長の佐藤重先生にお話を伺いました!
 

■訪問診療からマッサージまで手がける
地域密着型クリニック
アッコ: さとう整形外科ではどんな疾患を扱っているのですか。
   
佐藤院長:

外傷や変性疾患、スポーツ整形、リウマチ、その他手足のさまざまな疾患などです。このほか、ペインクリニックやリハビリテーション、装具外来も行っています。身体障害認定の相談や介護認定・介護サービスの相談にも応じていますよ。なお、火曜日だけですが、循環器専門外来も開設しています。

   
アッコ: 私自身は日ごろ、整形外科にお世話になることはないんですが、今、父親が遅まきながら五十肩になりかけていまして――。早めに病院に行ったほうがいいよ、と忠告しているんですけど、本人は医者嫌いでいっこうに腰を上げないんです。「ほうっておけばそのうち治るものなんだ」と(笑)。本当に放っておいて大丈夫なものなんでしょうか?
 
佐藤院長:

個人差がありますが、たしかに五十肩の症状は半年から2年程度で改善します。しかし、早めに整形外科を受診し、治療やリハビリを行えば、その期間は数ヶ月程度にまで縮まるはずですよ。もしお父さんが来院されたら、今、感じている痛みをなんとかするだけでなく、先行きの症状の変化まできちんとご説明したいですね。そのうえで、今後の治療方針について話し合うことになるでしょう。

   
アッコ: なるほど。これまで、「クリニックや病院というのは、現在抱えている痛みや不具合を治してくれる場所」と思い込んでいたような・・・。でも、その時だけ楽になればいいというものではありませんよね。
   
佐藤院長:

その通り。私は患者さんの希望はおもに以下の3つに尽きると思っています。第一に、病気を治す(治療)こと。第二に、原因はなんであるかを告げる(診断)こと。そして第三にこれからどうなるかという見込み(予後)を明らかにすることです。

   
アッコ: うーん、まさにその三点に言い尽くされている気がします。でも多くの場合、第一の希望や第二の希望しかかなえてもらえませんよね。
   
佐藤院長: 他院の事情はわかりませんが、私自身の仕事は、この3つのどれが欠けても成り立たないと考えています。そしてこの3つを徹底させることで、患者さんの満足度を上げることができると信じています。
   
■「痛みを解消するだけでなく、
生活を楽にするような治療法を模索しています」
 
アッコ: 具体的には、どのように3つの希望に応えていらっしゃるんですか。
   

佐藤院長:

あたりまえのことですが、まず正しく診断し、患者さんに病態をわかりやすく説明するよう心がけています。さらに、患者さんの希望を取り入れたうえで、複数の治療方法を提示します。このとき、それぞれの治療法のメリットとデメリットをきちんと説明。そこで初めて、どの治療法を選択するかを話し合います。その際、この治療を行った結果、予後がどうなるかについてもできるだけ詳しくお話します。

   
アッコ: 治療法を選択するうえで重要になるのはどんなことですか。
   
佐藤院長:  もちろん年齢やライフスタイル、環境、家族構成などにより、治療法は変わってきます。でも、もうひとつ大切なことがあります。それは、日常生活において患者さんがどんなことに困っているのかということ。たとえば、肩の痛みがあるとしましょう。「では痛みがなくなるよう、薬を出しましょう」で終わってしまっては、その方の生活しづらさは改善しません。肩の痛みがあるおかげで腕が上げにくく、ちょっと入浴しづらいとか、電車でつり革につかまるとき辛いとか、そういった日常の不快感を軽減しなくてはいけないと思うんです。
   

アッコ:

痛みを解消するだけでなく、生活を楽にするような治療法を考えるわけですね。

   

佐藤院長:

ええ、現代の整形外科治療とは、患者さんの「ADL(日常生活動作)」を改善すればそれで事足りるというわけではありません。さらに一歩進んだ治療、「QOL(生活の質)」の向上までも求められているのではないでしょうか。だから当院では、徹底的に話し合いを行い、治療の目的をはっきりさせるわけです。大勢が詰めかける大病院ではなかなかできないことですが、小規模のクリニックならひとりひとりにじっくり向き合うことが可能です。

   
 アッコ: 患者側も完治したときの具体的なイメージをもって治療に臨むことになりますね。
   

佐藤院長:

「この五十肩が治ったら、広いグリーンで思い切りゴルフクラブを振ろう」とか、そんなイメージを持つようにすると、ポジティブな気持ちで通院できますよ。治療とは、患者さんと医師がお互い共通の目的に向かい、チームワークで進めていくものですから、ぜひ積極的に取り組んでほしいですね。

   
アッコ: 手術などは、大病院などに紹介していただき、そこで受けることになるのですか。
   
佐藤院長: 大きな手術については、提携病院などにご紹介させていただくことになります。場合によっては、当院で手術を行うケースもありますよ。外傷による緊急時の手術はもちろんですが、局所麻酔による小手術も行います。たとえば、ばね指や手根管症候群、デケルバン腱鞘炎、まき爪の手術、おできなどの切除・摘出、アキレス腱断裂の縫合などです。
   
アッコ: 最後に患者さんに対して望むことがあればお教えください。
   
佐藤院長: 患部以外の場所でも、気になる症状があれば遠慮せず話してほしいですね。たとえば、腰痛の背後に生活習慣病や婦人病が隠れている場合もあります。当院の連携病院を受診していただけば、検査結果や服用薬など、互いの病院における重要な情報を共有できますから。

ここで見分けよう!「病院探しの目」
診療の際、治療や薬によるメリット、デメリットはしっかり聞いておきたいもの。もちろん、佐藤院長のようにそのあたりの説明をしっかりしてもらえれば安心なのですが、中には口の重いお医者さんもいるかもしれません。そんなときは患者側から「治療方針や予後について詳しく教えてください」とはっきり伝えましょう。きちんと説明してくれないようなら、思い切って病院を変えてもよいかもしれませんよ。

★データ
月~金:午前9:00~12:00
月~金:午後2:30~6:00(木曜日を除く)
土曜日:午前9:00~12:00 午前12:00~午後2:00
休診日 : 日曜日・祝日・木曜午後
 

     

JUN歯科クリニック

2006-09-02

桜マーク

東京都品川区南品川2-4-1品川YMDビル3F
TEL03-5783-5580
取材日:2006/09/1

 

説明になんと30分かけることも!
手間暇かけた治療と対応で提供する
「安心の医療」

初めて行く歯医者さんで、いきなり先生がやって来て椅子を倒し、「ハイ!口開けて!」なんて命令したとしたら――。やっぱりビビってしまいますよね。そうでなくても不安と痛みで、精神的にはめげているのに。患者が求めているのはテクニックだけではありません。安心させてくれる説明や思いやりもまた、重要な要素なんです。というわけで今回取材したのは、「安心の医療」を徹底的に追求されているJUN歯科クリニックさん。付加価値の高いサービスぶりに、一昔前の歯科クリニックのイメージが完全に覆されてしまいました!

■歯科治療をトータルコーディネート
アッコ: 初診今日こちらへ伺う前に、ホームページを拝見させていただいたんですが、ためになる情報が満載ですね。「物を食べる時、顎が鳴る」「疲れると歯茎から出血がある」といった、口の中の日常的なトラブルについて、専門医としてのアドバイスがわかりやすく書いてあります。治療法はもちろん、保険診療のことや、自費診療の内訳などについても詳しく載っていますし。患者としては安心して受診できます。
   
成田院長:


ええ、当院が心がけているのは、なによりもまず患者様の「安心」です。初めて行く歯科クリニックというのは、誰でも不安なものですよね。「料金はどのくらいかかるんだろう」とか「頻繁に来なきゃいけないんだろうか」とか。ですから、ホームページ上でなるべくこうした不安を取り除くようにしています。

また、あくまで患者様本位の治療を心がけています。 初めての来院時には、まずおおよその治療計画を作ります。診療時間30分をまるまる説明に費やすこともあるほどなんですよ。
治療期間についても患者様の要望をお聞きし、その方に合わせた方針を立てています。「回数が増えても1回の治療時間が短いほうがよい」という方もいれば、「1回の治療時間が長くてもどんどん治療を進めたい」という人もいますからね。もちろん、予算のご相談にも乗ります。

   
アッコ: ローンでの支払いも可能だそうですね。
 
成田院長:

はい、 保険診療、自費診療どちらにもクレジットが利用できます。お手持ちのクレジットカードはもちろんですが、分割払いができるカードをお作りすることもできるので、気軽に相談して頂きたいですね。

   
■不安を和らげる「笑気ガス」とスタッフの笑顔
 
アッコ: やはりホームページで紹介されていたのですが、「3Mix-MP法」という治療法を導入されていますね。効果の高い手法なのですか。
   

成田院長:

ええ、神経保存ができ、歯根の疾患や歯周病、急性発作にはとても有効です。ただし、手間はかかりますね。3種類の薬剤と軟膏のもとになるMPを使うのですが、調合は自前で行わねばなりませんから。

   
アッコ: それでも導入しているのは、やはり“患者満足度”を高めるためですか?
   
 成田院長:  その通りです。診療前の緊張を和らげるため、ご希望があれば「笑気ガス」を使うこともありますよ。吸入することで緊張感を和らげる効果があり、歯科恐怖症の患者様に人気です。痛みを抑え、止血や殺菌効果も高い「レーザー治療」も導入しています。手間や経費はともかく、効果の高い技術を積極的に取り入れることで、クリニックの付加価値を高めるよう努力しています。 贅沢志向が高まる昨今、手間暇かけたサービスこそが求められているのではないでしょうか。歯科医院は急性期にやむなく行く場所ではなく、よく検討し、納得したうえで行く場所に変わりつつありますから。
   

アッコ:

スタッフの方々にはどんな人材教育をされていますか?
   
成田院長: 患者様は痛みや不安を抱えて通院されているわけですから、なるべくフレンドリーな対応ができるよう、指導しています。事務対応にちょっとした雑談を挟むだけでも、不安が和らぎますからね。
   
アッコ: 待合室には受付の方や歯科衛生士さんの顔写真と紹介が貼られていますね。私など、歯科クリニックというのは、「痛いことをするところ」というイメージがどうしてもあって、やっぱりどこか怖いんですが・・・(笑)。こんな工夫があると、親近感も増して通院しやすくなります。
   

■中年男性の間で高まる審美歯科のニーズ

   
アッコ: JUN歯科クリニックさんは、一般歯科や小児歯科、口腔外科、歯周歯科、審美歯科とひと通りの歯科診療をなさっていますが、このうち、最近とくに患者さんが増えているのはどんな分野なんですか。
   
 成田院長:  もちろん一般歯科の患者さんは多いですが、このところニーズが高まっているのは審美治療、審美義歯ですね。見た目に対する社会全般の意識が変わってきているのをひしひしと感じます。
   
アッコ: となると、患者さんは若い女性が多いんでしょうね。
   
成田院長: いやあ、それがそうでもないんですよ。この頃は40代男性が中心なんです。歯並びは見た目の印象を大きく左右しますからね。営業マンや経営者など、多くの方が口もとを気にするようになってきています。海外赴任や出張で、欧米人と関わる機会も増えたこともあるでしょう。一般に社会的地位や収入が高い人ほど、歯の手入れに関心を持たれるようです。 

クリニックでマウスピースを製作し、あとは自宅でジェルを塗れば白い歯が保てる「ホームブリーチング」、ホワイトニングやセラミックス治療を行う「デンタルエステ」も人気ですよ。

 

■心がけるのは「テクニック+安心」の医療

   
アッコ: ところで話は変わりますが、成田院長はなぜ歯科医を目指されたんでしょうか。
   

成田院長:

父が歯科医で、その仕事ぶりをとても尊敬していたんです。それは真摯で丁寧な治療をしていました。8年前に亡くなったんですが、昔、父が診ていた患者様が今でも僕のところにいらっしゃるんですよ。その方の口の中を見ると、父の治療痕がしっかり残っていましてね。それが、プロの目から見てもじつにしっかりと処置してあるんです。
   
アッコ: 目標はお父様ですか。
   
成田院長: そうですね。しかし、テクニックだけではなく、心理的な面でもプラスアルファの治療を提供できるようになりたい。安心して口の中の健康を任せていただける歯科医になることが目下の目標です。
   
アッコ: 最後に、成田院長から患者さんに言いたいことはありますか。
   
成田院長: どんなことでも訴えてほしいですね。「こんなことは歯科と関わりがないだろう」とか「うるさい患者と思われるからやめておこう」などと考えずに。意外な病気がちょっとした症状の背後に潜んでいることはよくあります。当クリニックで直接対応できなくても、連携医が治療できるかもしれません。私たちも、患者様が話をしやすい雰囲気を作り上げるよう、努めたいと思います。
   

ここで見分けよう!「病院探しの目」
初診時の説明はなんといっても大切。治療期間、治療方法、予算など、聞きたいことはこちらからどんどん質問しましょう。そんなとき言葉を濁したり、露骨に面倒くさそうな顔をする先生はやっぱり問題です。うまくコミュニケーションが取れない病院なら、思い切って転院してもいいかも・・・・・・。

★データ
休診日: 木曜 日曜 祝日
診療時間: (平日) 10:00~13:00 15:00~20:00
(土曜) 10:00~13:00 15:00~18:00
 

藤本クリニック

2006-08-02

桜マーク

医療法人社団 廣和会 
藤本クリニック
〒110-0002 
台東区上野桜木1-10-22
TEL 03-5685-2151
取材日:2006/8/27

大病院との連携力に自信!
地域の健康を守る町のクリニック

体の具合が少し悪いと、すぐ大病院に行ってしまうのが私の悪い癖です。わざわざ遠くまで足を運んだ揚句、長時間待たされ、しかも診療時間はたった数分。やれやれです。でもまあ、そうでしょう。だってもともと大した病気じゃなかったんですから。まずは近くのクリニックに行けばよかったのです。そこで問題が見つかれば、大きな病院を紹介してもらえるでしょうし。とはいえ、どの病院ならもしものとき、適切な医療機関を紹介してくれるのか―。看板だけでは、よくわかりませんよね。そんなわけで今回取材したのは、東京・台東区上野にある医療法人社団 廣和会 藤本クリニック。地域や周辺医療機関との連携力に力を入れている病院です!


 

■訪問診療からマッサージまで手がける
地域密着型クリニック
アッコ: クリニックとはいえ、診療科目がたくさんありますね。たいていの病気は間に合ってしまいそうですが。
   
藤本院長:

掲げているのは、内科・整形外科・リハビリテーション科・皮膚科です。このうち、一番多いのは、整形外科ですね。外来患者さんの5割強を占めていますから。

   
アッコ: お年寄りにとっては大いに頼りになりそうですね。患者さんはやはり高齢者層が多いんですか。
 
藤本院長:

そうでもありません。近くに東京藝術大学がありますので、若い学生さんなどもたくさん見えますよ。また、近隣には店が多く自営業の方もおられますから、働き盛りの層も少なくありません。1日の来院数は200人超でしょうか。また、外来診療のほかにも、訪問診療に看護、マッサージ、往診、健康診断を行っています。

   
アッコ: 訪問診療からマッサージまで?!まさに地域の健康管理を一手に引き受けておられるんですね。
   
藤本院長: ええ、ですからうちのスタッフにはつねづね言っているんです。「この町はベッド数6000床ある、うちの病棟だよ」と。使命感を持って町の人の健康維持に臨みたいと考えています。
■提携病院は大学病院を含め27病院
「接骨院マップ」では18院を紹介
 
アッコ: ホームページには「病診連携医療」について書かれていますね。
   

藤本院長:

患者さんの希望や状態により、大学病院や総合病院へ診察や検査、入院に至るまでのご紹介をします。受信時に当院からの紹介状をお持ちになると、初診時の特定療養費を支払わずにすみますから。それに、当院での診療経過も紹介先に伝えますので、診療がスムーズになるんです。

提携病院は大学病院を含め27病院。 東京大学医学部附属病院、 順天堂大学医学部附属順天堂医院、日本医科大学附属病院など、文京区だけでも5病院があります。都内だけでなく、埼玉県にも提携先を抱えていますよ。

   
アッコ: 病状にあった病院を紹介していただけるというのは嬉しいですね。
   
藤本院長:  薬局など医療関連サービス業者とも組んでいます。地域医療のサプライチェーンを構築している、というわけですね。また、接骨院とのネットワーク作りも行っているんですよ。必要があれば近隣18院をマップ付きでご紹介しています。ご自宅近くの接骨院を訪ねることが可能です。体の具合が悪いのに、遠くまで通院するのは大変ですからね。
   

アッコ:

 

 


藤本院長:

地域のネットワーク作りでほかに取り組んでいることはありますか。

 


病院のかわら版「上野の森健康だより」を発行しています。私のメッセージや病院のニュース、季節ごとの健康ポイントをA4のチラシにまとめ、窓口で配布します。往診や訪問診療先などにも手配りしていますよ。

   

アッコ:

ところで、院内の雰囲気がとてもアットホームで明るいのですが、スタッフのみなさんとはいつもどんな風に接していますか。

   
 藤本院長:  特別なことをしているつもりはないのですが、私が関西出身でお笑い好きなせいか、スタッフ同士の会話も明るい感じですね。また、スタッフの数は多いほうなので、日ごろのホウ・レン・ソウや意識の共有を心がけるようにしています。医師は全診療科目で7名。整形外科だけでも理学療法士12名、柔道整復師1名、マッサージ師3名がいますから。
   

アッコ:

患者さんに対して、望んでいることはありますか。
   
藤本院長: 自分の症状や希望について遠慮なく話していただければ嬉しいです。たとえば、ちょっと熱っぽいとき、「全身くまなく検査してほしい」という人もいれば、「とりあえず、苦痛を取り除いてほしい」という人もいるでしょう。
もちろん、疾患には徹底的に向き合うのが医師の務めですが、診療方針を決めるためには、その人がどんな治療を望んでいるかを知る必要があります。患者さんが求める医療レベルが把握できなければ、結果的にご本人を苦しめてしまいますからね。

ここで見分けよう!「病院探しの目」
町のクリニックの場合、どんな大病院と連携しているか、あらかじめ知っておくことはとても大切。藤本クリニックのように、HPで公開していれば、安心してかかることができます。そうでない場合は、事前に電話などで確認するのもよいかも。

★データ
診療時間 9:00~17:00
休診 日曜午後・水曜
 

医療法人社団博雅会 大江医院

2006-07-02

桜マーク

〒124-0004 東京都葛飾区東堀切2-5-15
Tel:03-3602-2096
取材日:2006/07/12

 

「地域からガン患者を出さない!」
早期発見・早期治療に賭ける赤ひげ先生

みなさんは、どんなときに大病院に行きますか?私はよほどのことがないと行きませんね。だって、待ち時間は長いし、予約をとるのも大変だし。第一、遠いじゃないですか。でも、よく考えたら、それはよほど病気がひどくならないと行かないということで、すでに手遅れになっている可能性も高い--ってこと?!う、うーん、じゃあどうすればいいんでしょう?東京都葛飾区にあるクリニック、医療法人社団博雅会 大江医院の大江毅院長にご意見を伺いました。

 
アッコ: こちらの診療科目は、消化器科、内科、小児科ですね。とくに内科や消化器科でよく知られる病院とお聞きしました。ところで、さきほど待合室にいて気づいたんですが、患者さん一人一人の診療時間が結構長いんですね。
   
 大江院長:  そうなんですよ、初診の患者さんだと、どうしても10分くらいはかかってしまうんです。患者さんの生活習慣やご家族の病歴など、いろいろ知っておく必要もありますので。
   
アッコ: えっ、生活習慣や家族の病歴?「ちょっと熱っぽい」とか「胸焼けしてるんだけど」なんていう患者さんでも、ですか?
 
大江院長:

もちろんです。患者さんのお体の全体像を把握した上で、診療方針を決めてゆきたいですから。それに、ちょっとした症状に見えても、じつは深刻な病気が隠れていることだってあるんですよ。そういうサインにいちはやく気づいてあげるのが、私たち開業医の役目なんです。

   
アッコ: そうなんですか。クリニックの診療というと、とにかく簡単なものと思っていました。「微熱があるんです、体もだるいし」「そうですか、風邪でしょうねえ。薬出しておきましょう」なんて具合に。
   
■「ひとりの患者さんと向き合うために
あらゆる分野のエキスパートと連携しています」
 
大江院長:

考え方は医療機関によっていろいろだと思いますが、私は「早期発見・早期治療」こそ診療の命だと信じています。少しでも疑わしいところがあれば、なるべく早めに検査をしますね。場合によっては他の病院をご紹介することもあります。 いろいろな医療機関とのネットワークは当院の強み。大学病院や地域の中核病院、専門科目を持ったクリニックなどと連携し、患者さんに最良の医療を提供できるよう努めています。

こちらが誠意を尽くして診療し、紹介状を書くことで、先方も可能な限りの医療で応えてくれる--そうしたやりとりを続けていくうちに、信頼関係が出来上がりました。どこの医療機関が何に強いかもわかりました。今では、あらゆる分野のエキスパートを把握しています。たとえば、「食道ガンならこの大学病院」「顕微鏡検査ならあそこのセンター」といった具合に。

   

アッコ:

それは心強いですね!そうした連携へのこだわりは、何がきっかけで生まれたんですか。

   
大江院長: 勤務医時代に何度も苦い体験をしたせいでしょうね。ぼくは消化器系が専門だったんですが、クリニックの紹介で来院した患者さんの中には、すでに手遅れの症状を抱える人が少なくなかったんですよ。「もう少し早く手を打ってくれていれば」と、歯ぎしりしたことも二度や三度ではありませんでしたから。だから、開業医になったとき、「この地域から消化器系のガン患者をけっして出さないぞ」と決意したんです
いや、よくわかるんですよ。自分のクリニックでできる限り手を尽くしたいと考えるのは、ごく当然のことです。でもね、やはり一人の医師の力には限界がある。だからこそネットワークを築き、それぞれの専門分野を活かしながら、患者さんと向き合うべきだと思うんです。世間にはね、すごい腕と誠意を持った「赤ひげ」医師がたくさんいるんですよ。
   

■「待ち時間解消が今の課題。
まずは急患を減らす努力をしています」

   
大江院長: でもね、僕のやり方が、必ずしもすべての患者さんに歓迎されているわけじゃないんです。「薬だけ処方してもらえばいいや」という人もいますからね。検査や紹介状書きで時間をとられれば、診療時間も延び、それだけ待っている方々にご迷惑をおかけしてしまう。ときには患者さんから、「あんまり待たされたから、ほかの病院に行っちゃったよ」なんて、あとから言われたりしてね。
   
 アッコ: それはプレッシャーになるでしょうね。そんなクレームはよくあるんですか。
   
大江院長: いや、稀ですね。大抵の患者さんは批判を口に出さないものでしょう?でもそれで、通院をやめてしまったら、ガンの早期発見どころか、ますます病気が進行してしまうかもしれない。だから内心、とても葛藤しています。とりあえず最近、電話予約やネット予約制度を導入しました。急患が減れば、それだけ待ち時間短縮につながりますから。
   

アッコ:

忙しい仕事や家事の合間を縫って来るわけだから、少しでも早く診察してほしいのが本音ですよね。でも病院はファーストフード店とは違う。現代人は「早い、安い、ウマイ」に慣れすぎてしまったのかもしれません。私たち患者も、医療についてもっと真剣に考えるべき時なのかも--。大江院長から、患者さんに言いたいことはありますか?
   
大江院長: ご自分の症状や、抱えている不安をなるべくありのままに教えていただきたいですね。「整理して話さなくちゃ」などと考える必要はありません。我々が知りたいのは、病名よりむしろ体全体のこと。何気ない言葉や話の中にこそ、ヒントが隠れているものなんです。

今回の花丸ポイント 「和室風の待合室」
病院といえば、四角四面でピカピカな施設--。最近、そんなイメージが薄れつつあります。壁やソファの色使いにも気を遣った、素敵な建物も増えてきました。しかし「和室風」というのは珍しい!木を使った素朴な風合いといい障子といい、なんとも和める空間でした。

★データ
診療時間 午前9:00~12:30 午後4:00~7:00
定休日 日祝・土曜午後・第4木曜
 
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