アッコ: |
いきなり不躾な質問ですが、先生。とても流行っている病院と伺ったので、てっきり駅前にあるのかと思いましたが、ちょっと離れているんですね。といってもバスで5分程度でしたけど。患者さんはみなさん、この近所にお住まいなんですか。 |
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菅野院長:
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いいえ、必ずしもそういうわけではありません。電車で2駅、3駅先から見える方もいらっしゃいますよ。何本か路線を乗り継ぎながら、わざわざおいでになる方も少なくないようです。 |
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アッコ: |
うーん。大病院ならいざ知らず、お見受けしたところ、よくありがちな街のクリニックですよね……。あ、失礼なことばかり申し上げてすみません(汗)。 |
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菅野院長:
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いえいえ。本当のことですから、気になさらないでください。医師も私を含め2名ですし、見てのとおり、けっして大きな病院ではありません。それでも患者さんはたくさん来院されます。昨年の花粉症ピーク時には、一日の来院数が400名を超えたこともありました。理由のひとつは、「待ち時間の短さ」でしょうね。ウチでは、初診でもあらかじめ連絡していただければ、最大15分程度しかお待たせしません。これは当院独自の予約システムによるもの。企業秘密ですので、その仕組みをすべて明かすことはできませんが、ひとつだけ秘密兵器をお見せしましょう。コレです。
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アッコ: |
……10年手帳?これが秘密兵器なんですか? |
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菅野院長:
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開業して10年間、毎日、一日の患者数と急患の人数などを記録しているんです。ウチは基本的に予約制なのですか、急な痛みで突然来院される方もいらっしゃいます。こうした急患の数を事前に予測しておけば、診療時間のペースを掴むこともできますからね。データのおかげで、その日の患者数の動きがだいたいわかるようになりました。 |
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アッコ: |
なるほど、初診患者の数は季節や曜日などと連動しているのですか。急患が多そうな日は、予約人数を抑えている、というわけですね。
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菅野院長:
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そうです。もちろん、予約されている方もお待たせしませんよ。診療時間が約束した時間と大幅にずれたら、予約した意味がありませんからね。また、予約は電話や窓口のほか、インターネットでも受け付けています。 |
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■カラーの動画画像で患部を見せる! |
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アッコ: |
そういう評判が口コミとなって広がっているのでしょうね。とはいっても、診療時間があまり短いと、患者としてはちょっと心配な気もしますが。症状や治療方針についてはわかりやすくご説明いただけるんですか? |
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菅野院長:
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その点も大丈夫。というのも、当院では納得して診察を受けていただくため、耳や鼻の中の画像を、しっかりご覧いただいているからです。
通常、耳鼻科で使用するファイバースコープは、医師の手元近くにカメラがついています。これに対し、ウチが使っているのは「電子スコープ」。チューブの先端にカメラがあります。画像は鮮明ですよ。患者さんは診察台にすわったまま、パソコンモニターでカラー写真が見られます。動画で、鼻の内部で呼吸がおこなわれる様子を確認することも可能です。「ここが外耳道 赤く腫れているのがわかり
ますか」「鼻の奥にあるのがアデノイド。いびきの原因になりますね」といった具合です。
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時系列で症状の様子を追うこともできます。「前に中耳炎だった場所、先月に比べてずいぶんよくなりましたね」などというふうに。これなら短時間でわかりやすいご説明ができます。まさに『百聞は一見にしかず』ですね。なにしろ、普通のお母さんでも診断できるほどクリアですから、中耳炎の検査をする必要もありません。病院としては検査代を稼げないので、損かもしれませんが(笑)。最近ではセカンドオピニオンを求めて、当院を訪れる人もいるほどです。 |
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アッコ: |
きっと高い機械なんでしょうね~。余計なことを伺うようですけど、そんなに投資しちゃって、病院は大丈夫なんですか? |
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菅野院長:
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もちろん。治療を受ける方の満足度を上げ、地域で信頼を得れば、結果的にコストはちゃんと回収できます。じつはこの機械のほかにも、眼球の動きを見る赤外線フレンツェル、手術部門の特注医療機器など、設備投資にはかなりお金をかけています。しかも、ほとんど2台ずつ購入しているんですよ。万が一、故障したら患者さんにご迷惑をかけますからね。 |
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■アレルギー性鼻炎向けレーザー治療とは?
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アッコ: |
手術部門も併設されていると伺いましたが。 |
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菅野院長: |
はい。アレルギー性鼻炎のレーザー治療専門の部門があります。「有馬クリニック」といい、病院の隣に併設されています。
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アッコ: |
アレルギー性鼻炎のレーザー治療?鼻の中にレーザーを当てるんでしょう?痛くないのですか?まさか嗅覚がなくなっちゃう、なんてことは……? |
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菅野院長: |
痛みはほとんどありません。嗅覚が損なわれる心配もないですよ。レーザーを粘膜に照射し、凝固、変形させて、アレルギー反応を抑える手術です。鼻づまりや鼻水、くしゃみなどの症状を緩和します。花粉症でお悩みの方にはぴったりではないでしょうか。根治療法ではありませんが、薬の服用に制限のある人や、投薬治療に効果が見られなかった人に支持されています。健康保険も利くので手術費用もさほど高くありません。……さあ、ここが「有馬クリニック」ですよ。どうぞ中へ。(と、クリニックの扉を開く)
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アッコ: |
ほんとうに設備投資を惜しまないんですね~。
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■夢は100人の仲間作り
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アッコ: |
先生ご自身のことを伺ってよろしいでしょうか?なぜ耳鼻科医になろうと決意されたのですか? |
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菅野院長: |
僕自身、アレルギー性鼻炎で苦しんでいたんです。だから、医者になったら同じ病気で悩んでいる人を助けたいと思っていました。開業医をめざそうと決めたのは、医師免許を取得した頃。大学の医局ではできないことに、いろいろチャレンジしたかったんです。
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アッコ: |
医局ではできないことというと? |
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菅野院長: |
たとえば自分なりに後進を育てること。もちろん医局でも可能なことですが、とことん患者さん中心の良質な医療を提供しようと考えました。すでに「ウィル・メディカル・グループ」というグループを設立し、耳鼻科医の新規開業を支援しています。
10年前の開業以来、蓄積したノウハウを伝授。人事労務に広告宣伝、待ち時間短縮の秘訣などなど……。みんな熱心ですよ。夜8時から集まり、夜中すぎまで語り合うこともざら。あまり長引くので、このまえはとうとう合宿セミナーを開きました(笑)。 彼らには、ノウハウだけでなく、医療に対する哲学も学んで欲しい。たとえば、患者さんに喜ばれる治療をおこなうことで収益を上げ、治療に還元する姿勢。そうすることで医療の質を上げていくことは可能だと思うんです。目標は10人の弟子を世に送り出すこと。彼らにもそれぞれ10人の弟子を育ててもらい、100人の仲間を作り出すのが夢です。
こうした教育事業のほか、研究部門を設け、臨床治験も行っています。
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アッコ: |
最後にお聞きしたいんですが、患者さんに望むことはありますか? |
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菅野院長: |
こちらも真剣に治療に取り組んでいるのですから、患者さんにも、病気にちゃんと向き合ってほしいです。服薬指導を守り、きちんと通院してください。しかし当院は予約制なので、病気に対していい加減な方はいらっしゃいませんけどね。おかげさまで、お互い信頼関係で結ばれていると思います。 |
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